ラミクタールの服用を止めた場合

ラミクタールは興奮と抑制を司るイオンチャネルをコントロールして気分を安定化させるタイプの薬で、脳神経の電気信号によって引き起こされるてんかん発作に効果を発揮することから抗てんかん薬となります。適応するのは強直間代発作、子供の欠神発作、レノックス・ガストー症候群などの全般発作です。また、躁うつ病の維持にも有効であることが認められており、双極性障害の治療にも用いられることがあります。ラミクタールで症状が抑えられると、気分が向上して薬物の摂取は必要ないと考え方が甘くなってしまい、服用を中止する人も少なくありません。楽観的とも呼べる考えですが、医師の指導の元で断薬するのとは異なり、安全であることがはっきりしていない状態なので、無理に服用を中止すると離脱症状が起こる可能性があります。離脱症状とは依存性のある薬物の反復使用を中止することから起こる病的な症状で、例えばタバコを吸うのを止めるとニコチンが不足してイライラが募るといったものです。覚醒剤であれば、重度の覚醒作用が切れることで大きく気分が落ち込むようなもので、ラミクタールにも気分に作用するので使用時との落差によって起こることがあります。とはいえ、ラミクタールがターゲットとするのは脳内の受容体ではなくイオンチャネルであることから、タバコや覚醒剤ほどの依存性は認められていません。ラミクタールを断薬した場合には、一概に離脱症状とは言えませんが、その他の治療薬との影響で気分が落ち込むこともあるため、様子を見ながら減薬していくことが重要となります。自己判断で減薬や断薬をすることが認められている飲み薬ではないので、服用を中止したい理由があれば、その旨を医師に相談して方針を決定するようにしましょう。